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地域に内在し世界を構想する

地域研究

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地域研究 JCAS Review Vol.18 No.1 2018  P. 22-31  公開日:2018年3月30日
2017年度JCAS年次集会シンポジウムの記録 講演2

超学際にコミットする
地域研究者の役割を考える

井上  真

早稲田大学人間科学学術院 教授

INOUE Makoto

 

1.学際的研究から超学際研究

  2002年に刊行された石弘之編著『環境学の技法』(東京大学出版会)に、私も寄稿しました(井上 2002)。当時から2つの越境について私は主張していました。1つは学問分野の越境です。これはアカデミズム内部での学際的研究です。これにはハイブリッド・アプローチ(一人学際の方法)を提案しました。
 もう一つはアカデミズムからの越境で、実践や政策にどのように橋渡ししていくかを議論しました。その時にギボンズの提唱した「モード論」を参照しました(ギボンズ 1997)
。「モード1」が通常のアカデミズムです。「モード2」は社会と連携する研究で、市民科学等も「モード2」に入ります。その概念を援用して、実際に参加型アクション・リサーチという方法でプロジェクトを実施しました。当時「超学際」という言葉はなかったのですが、自分の経験に基づいて、今で言う「超学際」の必要性を説いていたことになります。
 「超学際」とは、「co-design」 「co-production」 「co-delivery」ということです。利害関係者として通常、学者、⾏政、市⺠、企業等が書かれています(図1)。それを見た時に、「何かおかしいな」と感じました。なぜそう思ったのか、少し考えてみたいと思います。

 一般的に「政府」、「市場」、それに「市民社会」を加えた三セクターが認識されています。さらに「研究」が加わり4つになる。この4つが絡むのが「超学際」という説明を何度か聞きました。

図1 超学際とは
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 ところが、私自身がしっくりくる説明は、2014年に出した『自立と連携の農村再生論』という本で示した図2です(井上 2014a)。私も編者の一人で出しました。<市民社会><国家><市場>は前の図と同じですが、この基盤として<地域社会>や「実在的現場性」があり、生活世界に生きる地域住民がいます。<国家><市民社会><市場>は抽象的概念です。全ての人はこの<地域社会>に居て、そのうえで<市民社会><国家><市場>の三セクターに出ていきます。

図2 地域社会と三つのセクター
図は井上(2014a)より。
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 私も茨城県の南部の農村地域に住む地域住民です。お店で何かを買えば<市場>に参加します。NPOに参加する時には<市民社会>に参加します。全ての人がそうです。
 それで研究者のタイプですが、<国家>を重視し政府ベッタリの研究者は「御用学者」と呼ばれ、功罪両面を持っています。<市場>を重視し、産学連携を無批判・無自覚に推進する研究者は企業依存学者と言えるかもしれません。そして<市民社会>を重視し、風見鶏のようにその潮流に合わせて、その時々で良いことを言っていくのはポピュリストの学者と言えるかもしれません。
 このように色々なタイプの研究者がいます。フューチャー・アースの概念では、国際的な枠組みの中で、<地域社会>、つまり当事者としての全人格的個人を、他のセクターと明確に区別していないという感覚を持ちました。<地域社会>が明示的に図の中に入っていないからです。
 フューチャー・アースに参加している日本人研究者が、実際のプロジェクトで地域社会と関わって仕事をしているのを知っています。しかし全体の枠組みとして<地域社会>を明示的に区別していないため違和感を覚えたのです。地域研究者は地域社会に密着してフィールド・ワークを行い、地域を理解する人が多いので、そう思うわけです。

2.ローカルな現場での研究者の役割

 では、地域社会や地域住民に焦点を合わせて研究してきた、公害研究や環境社会学研究における研究者の役割と立場について整理してみましょう。
 これは『環境社会学研究』に書いたものです(井上 2014b)。研究者の立場性の類型です。大きく二つあります。「内在的な役割」を引き受ける研究者と、距離を置いて「外在的な役割」を果たす研究者です。

「内在的な役割」を引き受ける研究者
 まず「内在的な役割」から行きますが、被害者・生活者・地域住民といったアクターの立場に立つ研究者です。幾つかバリエーションがあります。例えば、被害者の立場から公害を見る。この立場があったから日本の水俣病の問題等の原因が究明されました。例えば、宇井純氏、庄司光氏、宮本憲一氏、原田正純氏、飯島伸子氏等の研究者が挙げられます。このような方々は被害者の立場に立って研究を行ってきました。だから弱者の立場から問題が発見できたと言えます。
 もう一つ、居住者の生活の立場があります。これは環境社会学の生活環境主義に当たります。この立場の研究者として鳥越皓之氏や古川彰氏が挙げられます。コミュニティ林業などの参加型森林管理は、生活環境主義の森林地域版と言えます。私もこの立場から研究をしてきました。
 もっと積極的に被害者や生活者による住民運動を担う、小野有五氏のような立場もあります。この方はアイヌの問題について、論文を書きながら自分もその運動を引っ張る立場です。
 一方で、特定のアクターには肩入れせず、熟議のための場をつくるファシリテーターとしての研究者もいます。この立場に三上直之氏がおられます。円卓会議など相互作用の場を作るのはすごいことですが、私にはとうていできません。この「内在的な役割」を引き受ける研究者の究極の姿が「レジデント型研究者」です。この代表例として佐藤哲氏が挙げられます。
 公害研究や環境社会学に関係してきた研究者は、「内在的な役割」を引き受けてきました。こういう形で、(皆、距離感が違いますが)住民とそれぞれの距離感で問題解決に寄与しようという意志を持って取り組みました。

実践の場からは距離をおく「外在的な役割」を果たす研究者
 それとは対局にあるのが「外在的な役割」です。これは「象牙の塔」と言われる、伝統的アカデミズムだと理解すれば良いと思います。研究テーマ、つまり「問い」の立て方次第では、この立場だからこそ出来る研究もあるでしょうから、否定するつもりはありません。
 ここで小考察を行ってみましょう。公害研究や環境社会学は現場と研究をつなぐ意味で、当時よりアカデミズムからの越境は実践されてきました。ただ、実践的な研究の場はローカルな現場に集中しており、グローバルな面は考えていませんでした。そこでローカルとグローバルを繋ぐ研究が重要になります。ローカルに密着して行ってきた研究を活かして、グローバルな環境問題にも取り組むのが私のスタンスです。
 では地域研究はどうか。米国の地域研究は植民地支配の手段として展開してきました。これに対し、日本の地域研究はアカデミズムの独立を意識して「純粋」な知の探究として展開してきたというのが定着している認識です。その意味で、「外在的な役割」を果たす研究者が多数だったと思います。これは、地域の理解を純粋に突き詰めていくスタンスです。私が若い頃、京都で研究会やシンポジウムに出席した時、先輩の研究者は「現地で何か問題があっても私には関係ない」と言っていました。私はそれに違和感を覚えました。
 昨今は地域研究者も超学際にならざるを得ません。その意味で様々なステークホルダーとの協働に関して、ローカルレベルでの役割・立場には幾つかのスタンスがあります。その研究者の感性と問題意識や、問題解決に時間が割けるか等が関わりますが、全ての立場で関わることが可能です。
 先ほどの図2に基づくと、超学際が明示的に認識していない「地域社会/住民」との協働が実は重要です。実際には超学際の中で協働が行われますが、このことが明示的に示されていない。

3.ローカルとグローバルを繋ぐ研究者の役割

 では、ローカルとグローバルを繋ぐ研究者の役割を考えてみます。様々な利害関係者が様々なスケールで存在するので、ローカルな現場レベルの研究だけでは不十分です。フィールド・ワークを重視する地域研究者も、自らの役割をスケールアップすることが求められます。私がどういうことを行ってきたか。そこから何が言えるのかを、説明したいと思います。
 1996年~2004年に私は地球環境戦略研究機関(IGES)のプロジェクト・リーダーとして研究を統括しました。その時に何を行ったか。それが、2014年に『環境社会学研究』に書いた論文(井上 2014b)で初めて名付けをした「国家の挟み撃ち戦略」のプロジェクトです(図3)。

 
 
図3 井上チームの挑戦=名付けて 「国家の挟み撃ち戦略」
井上(2004); 井上(2014b)
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井上チームの挑戦
 まず、ローカルな現場である村、人々の生活の場で、地域に密着したフィールド・ワーク(インタビューや参与観察)をして地域の現状を把握しました。これは通常の研究です。実際の対象地はインドネシアのボルネオ島東カリマンタン州の奥地の村でした。その先住民の人々が何を問題として認識しているのかを一緒に探りました。研究者が勝手に問題を抽出するのではなく、現地の人々と一緒に話し合って問題を抽出しました。これが図3中のAのベースになります。それを西クタイ県の条例に盛り込みました。
 県の条例は県議会で決まります。県議会で決まる素案を作るワーキング・グループが作られ、私の共同研究チームの一員がそこに参加しました。インドネシア人で東カリマンタン州の国立大学のスタッフです。彼を通じて県のワーキング・グループにプロジェクトの成果を投入し、条例づくりに関わりました。これにより私は条例作成に間接的に関わり、プロジェクトの成果を条例に組み込みました。条例の素案は少しおかしかったので、私も意見を言って素案を変えました。これがAです。
 次がCです。国連のNGOステータスを持つ団体は、国連の生物多様性条約に正式に参加できます。IGESは途中から国連NGOステータスを取りました。取れる前は、プロジェクト・メンバーの国際法学者の若手スタッフが、既に国連NGOステータスを取っている別の団体の一員として参加しました。そのような形で国際条約の場に出て発言をする。研究成果に基づいて発言し、住民の権利を盛り込むよう働きかけました。これがCです。
 国際条約締約国は、それに沿う方向で国内法制度を修正することが義務づけられます。ですからインドネシア政府は国際条約に基づいて、国内の住民の権利を無視した国内法制度を変える必要性が生じます。これがDです。同様な条例を制定する県が増えれば国民のニーズを無視できなくなります。これがBです。私達が実践したのは、東カリマンタン州の西クタイ県という1つの県でしたが、他の県や州がそれを模倣して増えれば良いと思いました。
 実際のところ、国家はなかなか変わりません。国会議員が法制度の修正を行うため、外国人である我々はそこに直接関与することもできません。しかし、最も「堅い」国家の法制度・政策を上下から挟み撃ちにして、フィールドの現場の実態を反映させ、法制度の修正を促すというのが「国家の挟み撃ち戦略」なのです。興味があったら「国家の挟み撃ち戦略」をあちこちで実践してみてください。
 さて、その時の私の役割について学会誌に書きました。論文の題名はそれを表しており、「黒子の環境社会学」です。「環境社会学」という学問が今後どのような形で展開できるかについて、一つの研究者の役割を論じたのです。
 例えば、国際条約の場で交渉担当者である各国政府の代表者が出てきます。その政府の代表者は主に自然科学の様々なデータを参考に交渉を行います。国際条約の場でどの国からどういう発言がなされたかは毎日速報で出ます。私はIGESにいた時それを追いかけました。そのような速報を分析して、日本政府はどう発言をすべきかを提言する。これが政策アナリストの重要な役割です。現在もIGESはそうしていると思います。この政策アナリストには機動力が不可欠です。大学教員や、若手の地域研究者のなかでフィールド・ワークを重視する人はフィールドに長く滞在しますので、政策アナリストの仕事はできません。
 この論文は環境社会学の論文ですので「環境社会学」と書きました。地域研究も政策に役立つかと、よく問われますが、私は実用性や速報性に頓着しない方が良いと思います。頓着したところで無理です。
 地域研究者や環境社会学者は、当該の問題について考える際の基盤となる論点を提供し、様々な人が迷った時に何度でも参照できる骨太の政策研究を堂々とすれば良い。「あなたの研究は役立たない」と言われたら、速効的に役立つ方向に走るのではなく、実践家も含む様々な人に参照される骨太の研究を提示する方が良いと思います。
 政府の代表として他の国と丁々発止でやりとりする交渉官は主演俳優に当たります。政策アナリストは交渉官を支える助演俳優です。そして、地域研究者は助演俳優の参照基準を提供する「黒子」として貢献できるのです。
 このことは、国際交渉の場に限らず、ローカルレベルでもそうです。自分で住民を集めてファシリテーションできる人はいい。でも皆ができるとは限らないないし、私もできません。私の場合、ローカルなレベルでも「黒子」に徹しました。

県レベルでのローカル・ワークショップ(2003年7月)
 カリマンタンの西クタイ県でローカル・ワークショップを行い、幾つかの村から参加してもらい話し合いました。私はリーダーだったので開会の挨拶はしましたが、後は笑いながら周りを回って議論を聞いていただけです。これは2003年です。最初の挨拶はこういう形でした(写真1、2)。後は「黒子」に徹しました。

写真1
県レベルでのローカル・ワークショップ(2003年7月、インドネシア・東カリマンタン上流域)井上は開会式の挨拶のみ
写真2
県レベルでのローカル・ワークショップ(2003年7月、インドネシア・東カリマンタン上流域)後は複数のグループを回っていただけ
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4.ポスト・ノーマル科学論とモード2
 ここまでローカル及び大きなスケールでの研究者の役割についてお話ししました。この中のどれが求められるのかを検討する基礎として、超学際について検討する必要があります。
 幽霊会員ですが、私は科学技術社会論学会に入っています。学会誌は届きますので、興味のあるものだけを読んでいます。参考になる論文が去年の学会誌にあります(勝屋 2017)
。その論文の中身を少し整理してみました(図4)。

図4 ポスト・ノーマル科学
勝屋 (2017)より。
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ポスト・ノーマル科学
 「ノーマル科学」は、多くの人が思っている「研究」と考えればいいでしょう。その他にアプライド科学があります。これは応用科学なのでノーマル科学の範囲に入ります。重要なのはその下の「コンサルタンシ科学」と「ポスト・ノーマル科学」の二つです。「コンサルタンシ科学」は、クライアントのためにプロフェッショナルによって行われる、明確な目的を持つ仕事です。医者やエンジニア等がそれに当たります。科学者だけでなくクライアントが品質管理と意思決定に参加します。科学者だけが良いと思ってもダメです。
 「ポスト・ノーマル科学」では利害関係者が多く、不確実性が高い問題を扱います。品質管理と意思決定は、利害関係者・専門家・市民等から成る、拡大ピアコミュニティによって行われます。安成先生のお話に出てきた「超学際」は、「コンサルタンシ科学」も含むでしょうが、目指すのは「ポスト・ノーマル科学」だと理解しています。
 15年前に私が議論した「モード2」がどうなるかというと、「特定のアプリケーションの文脈で問題が設定され超学際的な方法で解決を目指す知的営み」と言い換えられます。ギボンズのモード論の「モード2」は、「コンサルタンシ科学」と「ポスト・ノーマル科学」の両方を含んでいます。
 「コンサルタンシ科学」としての「モード2」で考えると、この典型例は経営コンサルティングです。経営コンサルィングの会社は課題を分析して定義します。彼らが計画をつくる方法論をノウハウとして持っていることが重要です。コンサルタントの方々は、それを共有しています。コンサルタント一人一人の専門性が高くなければ、良い経営コンサルができません。ですから、コンサル一人一人の専門性を高めてキャリアを積み重ねられるよう、会社が管理・支援を行う体制を整備しています。これがコンサルティング会社です。上司が品質管理を確認して保証する仕組みができています。
 仮に地域研究者が理想的な意味での「ポスト・ノーマル科学」を実践する前の段階で、「コンサルタンシ科学」を「超学際」に取り込む際、こういう体制ができているでしょうか。ここから地域研究の立場を考えなければいけないと思います。
 では「ポスト・ノーマル科学」としての「モード2」を考えると、「コンサルタンシ科学」と異なり余り実績がありません。科学技術社会論の専門の方が書いた論文に、そう書かれています。「コンサルタンシ科学」には実績があり、経営コンサルに当てはめられる。しかし「ポスト・ノーマル科学」の実績は余りありません。ということは「ポスト・ノーマル科学」のプロフェッショナルが必要となり、科学者と市民からなるチームを率いて問題を解決する方法、例えばプロジェクト管理、ファシリテーション等の様々なテクニックを確立する必要があります。安成先生が説明された方法論に、問題を解決する方法が含まれるかもしれません。フューチャー・アースの超学際は「コンサルタンシ科学」よりも「ポスト・ノーマル科学」としての「モード2」を含意していると思います。

 

5.地域研究者の役割

 最後に、これまでの議論に基づいて地域研究者の役割を考えてみます。
 地域研究者の役割のオプションは、図5に書いたものです。このどれに当たるかは、地域研究者の価値観や、時間的制約、例えば、本当はレジデント型研究者になりたいが研究所に応募しても採択されなかったとか、色々な理由があり結局やりたいことができないかもしれません。子どもが生まれたばかりで研究はそんなに無理とかで、時間的制約があり、その時々で決まるのだと思います。

 
図5 地域研究者の役割オプション
地域研究者それぞれの価値観や時間的制約が反映
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 まずローカルなスケールでの内在的な役割ですが、依然として被害者・生活者・地域住民と協働する研究者というスタンスは有効だと思います。市民・企業・行政と協働する研究者もありえます。この形が悪いわけではありません。三つ目がレジデント型研究者、四つ目が「ファシリテーター」としての研究者です。最後に追加したのが「黒子」というスタンスです。ローカルなスケールでの地域研究者の役割として、このようなバリエーションがあります。
 大きなスケールの内在的な役割は、主演俳優になりますが、これはあり得ません。助演俳優という立場は、私には無理ですが、できる人がいるかもしれません。それで「黒子」です。外在的な役割は「超学際」に合わないので除外されます。「自分は離れているよ」という姿勢は「超学際」ではありえません。
 フューチャー・アースの超学際が、ポスト・ノーマル科学としての「モード2」による知識生産を意味するなら、地域研究者に期待される役割では「レジデント型研究者」と「ファシリテーターとしての研究者」が重要になります。一つはローカルスケールでの「レジデント型研究者」です。佐藤哲氏はこの形で実践されました。三上氏が行った「ファシリテーターとしての研究者」は直接的です。間接的には、より大きなスケールでの「黒子」です。私が試みたのはこれでした。
 「レジデント型研究者」と「ファシリテーターとしての研究者」が超学際に関わるなら、「コンサルタンシ科学」の方法論を身につける必要があります。理想的には「ポスト・ノーマル科学」の方法論も身につけた方がよい。それがないまま現場に飛び込むと、飛び込んだ人達は苦労します。若い地域研究者が現場で研究しやすいように、方法論をプログラムで作らないと「行ってこい、頑張ってこい」で終わってしまう。すると、若いエネルギーを活かせません。
 私はフューチャー・アースの内部にいないので、誤解もあるかもしれません。フューチャー・アースの関係者からの応答を期待します。ご清聴ありがとうございました。

 

引用・参照文献
飯島伸子(1993)『環境社会学』有斐閣。
 

井上真(1999)「地域研究の方法序説──メタファーとしての総合格闘技」『エコソフィア』3号、62ー70頁。

 

井上真(2002)「越境するフィールド研究の可能性」石弘之編『環境学の技法』東京大学出版会、215-257頁。
 

井上真(2004)『コモンズの思想を求めて──カリマンタンの森で考える』岩波書店。
 

井上真(2011)「温暖化防止対策としての森林保全──REDD+制度設計の課題」森林環境研究会編『森林環境2011 国際森林年  森の明日を考える12章』森林文化協会/朝日新聞出版、78-87頁。

井上真(2014a)「農山村の自立と連携のための『協治』」岡本雅美監修/寺西俊一・井上真・山下英俊編『自立と連携の農村再生論』東京大学出版会、253-264頁。
 

井上真(2014b)「黒子の環境社会学──地域実践、国家政策、国際条約をつなぐ」 『環境社会学研究』 第20号、17-36頁。
 

井上真(2014c)「個人主義的な『新しい学問』の姿──自立と連携でつくる」 『SEEDer(シーダー)』No.11、54ー57頁。
 

井上真(2017)「東南アジア『環境』の地域研究──学際性と実践性」 山本信人監修/井上真編著『東南アジア地域研究入門1 環境』慶應義塾大学出版会、1-20頁。
 

井上真編(2003)『アジアにおける森林の消失と保全』中央法規出版。

井上真編(2006)『躍動するフィールドワーク──研究と実践をつなぐ』世界思想社。
 

宇井純(1968)『公害の政治学──水俣病を追って』三省堂新書。

小野有五(2006)「シレトコ世界自然遺産へのアイヌ民族の参画と研究者の役割──先住民族ガヴァナンスからみた世界遺産」 『環境社会学研究』第12号、41-56頁。
 

戒能通孝(1994)『公害とはなにか』実教出版。
 

勝屋信昭(2017)「モード論の再検討」 『イノベーション政策とアカデミズム──科学技術社会論研究 13』科学技術社会論学会/玉川大学出版部、98ー112頁。

ギボンズ、マイケル編著(1997)『現代社会と知の創造──モード論とは何か』小林信一監訳、丸善。
 

佐藤哲(2009)「知識から智慧へ──土着的知識と科学的知識をつなぐレジデント型研究機関」鬼頭秀一・福永真弓編『環境倫理学』東京大学出版会、211-226頁。
 

庄司光・宮本憲一(1975)『日本の公害』岩波新書。
 

鳥越皓之(1997)『環境社会学の理論と実践──生活環境主義の立場から』有斐閣。
 

鳥越皓之編(1989)『環境問題の社会理論──生活環境主義の立場から』御茶の水書房。
 

原田正純(1989)『水俣が映す世界』日本評論社。
 

古川彰(1999)「環境の社会史研究の視座と方法──生活環境主義という方法」舩橋晴俊・古川彰編『環境社会学入門──環境問題研究の理論と技法』文化書房博文社、125-152頁。

三上直之(2009)『地域環境の再生と円卓会議──東京湾三番瀬を事例として』日本評論社。

■評者紹介
①氏名(ふりがな)……井上 真(いのうえ まこと)
②所属・職名……早稲田大学人間科学学術院教授
③生年と出身地……1960年、山梨県出身
④専門分野・地域……環境社会学および森林ガバナンス論、インドネシア(特にカリマンタン)
⑤学歴……東京大学農学部林学科卒
⑥職歴……国立林業試験場研究員(22ー26歳)、インドネシア共和国教育文化省熱帯降雨林研究センター研究員/JICA長期派遣専門家(26ー29歳)、森林総合研究所研究員(29ー30歳)、東京大学農学部助手(30ー35歳)、東京大学大学院農学生命科学研究科助教授(35ー44歳)、東京大学大学院農学生命科学研究科教授(44ー56歳)、早稲田大学人間科学学術院教授(56歳ー )
⑦現地滞在経験……インドネシア共和国・東カリマンタン州(26ー29歳)にJICA長期派遣専門家として3年間滞在し、先住民の村々にて焼畑農業を中心とする生業に関するフィールドワークを実施した。
⑧研究手法……元々はフィールドで始まりフィールドで終わるのが私の研究だったはずだが、40歳代中頃から諸般の事情でなかなかフィールドに行けなくなってしまったのが痛いところである。フィールドでは、インタビューを中心としながら、参与観察、調査票調査、グループ・ディスカッションなど何でも活用する。
⑨所属学会……環境社会学会、環境経済・政策学会、熱帯生態学会、早稲田文化人類学会、林業経済学会など。
⑩研究上の画期……1992年にブラジルのリオで開催された「国連地球サミット」。この会議以降は、小さな一つの地域の実態に基づく政策提言を、生物多様性条約や気候変動枠組み条約の場にインプットする可能性が開かれた。つまり、地域研究の成果を国際条約の形成過程に活かし、「地域」を阻害しがちな「国家」を上下から挟み込んで政策転換を促す戦略(=「国家の挟み撃ち戦略」)を試みることが可能となった。
⑪推薦図書……山本信人監修、井上真編著(2017)『東南アジア地域研究入門1 環境』慶應義塾大学出版会。

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図3 井上チームの挑戦=名付けて 「国家の挟み撃ち戦略」

井上(2004); 井上(2014b)